今回は映画「戦略大作戦」に登場するシャーマンをミニスケールAFVで再現します。
この映画をチョイスしたのは、私が好きな映画だからという単純な理由です。
いつか劇中のシャーマン戦車を模型で再現したいと考えていました。

「映画戦略大作戦（70年公開、原題：Kelly's Heroes）」
前年の「荒鷲の要塞」と同じブライアン・G・ハットン監督、クリント・イーストウッド主演で製作。
「刑事コジャック」以前のテリー・サバラスや、「M★A★S★H（70年公開で撮影は68～69年）」に
主演したドナルド・サザーランド、カルトな俳優ハリー・ディーン・スタントンなど共演陣も豪華です。
単純明快なストーリーと魅力的な登場人物、車輛や装備品など今でも楽しめる映画でしょう。
ネット上にはこの映画を研究したサイトも多く見られ、日本語字幕のDVDもリリースされてます。

映画の研究には以下の４冊を使いました。
・KKワールドフォトプレス　コンバットマガジン1985年2月号
・大洋図書「新映画宝庫Vol.2 ミリタリー・ヒーローズ」
・エスクァイアマガジンジャパン「E/Mブックス７クリント・イーストウッド」
・早川書房「クリント・イーストウッド名前のない男の物語」
ロケが大変だったり、期待どおりのストーリーにならなかった（改変された）ために
イーストウッド自身はこの映画に満足していない事がインタビュー記事などで紹介されています。

「戦略タイガー」
ネタが決まったところでコウ中村氏にムリヤリお願いして、コラボレーション（笑）してもらいました。
氏は自身のWebサイトで戦争映画のコンテンツを手がけており、ミニスケールAFVはもちろん
映画のAFVにも詳しいお方。T-34改造のタイガー戦車、「戦略タイガー↓」との共演が実現しました。
http://member.nifty.ne.jp/~rouman/garakuta/eiga/kelly/kelly.htm

「オドボールのシャーマン」
劇中車のうち、サザーランドが怪演したオドボールの乗車を再現する事にしました。
まず劇中に登場する車輛の素性を調べました。模型での再現のきっかけとなった
コンバットマガジン85年2月号（当時購入した）と、DVDソフトを見ながら調査してみました。
パソコン用のDVD再生ソフト「WinDVD」で映画の場面を静止画として記録し、検証しました。

一見M4A3ですが長砲身で、劇中では「煙突のパイプを溶接して大口径に見せかけてる」云々の
台詞があります。ネットで検索したところ、ロケ場所のユーゴスラビアが保有していた車輛でした。
朝鮮戦争時に日本(TOD：Tokyo Ordenance Depot)で改修された「M4A3-E4 76MM」というタイプです。
http://web.inter.nl.net/users/spoelstra/g104/retro76.htm
http://web.inter.nl.net/users/spoelstra/g104/yu.htm

TODについて知りたい方は「米軍兵器補給廠」、「TOD」あるいは「Tokyo Ordenance Depot」の
キーワードで検索してみてください。

シャーマンの形式分類とディティール調査には、以下の２冊を使いました。
・squadron/signal社「Walk Around M4 Sherman」
・AmpersandPublishing社MMiR別冊「Modeler's Guide to the Sherman」

2003年6月21日掲載　　　実際の工作は次のページです。

完成品　　　　　　　　　　戦略シャーマンその２